株式投資の始め方:少額から始められる必要資金と手順
はじめに

資産形成の重要性が叫ばれる今、株式投資は20〜30代の若い世代にとって最も有効な選択肢の一つとなっています。かつては「お金持ちがするもの」というイメージがあった株式投資も、今では少額から始められるようになり、誰でもアクセスしやすくなりました。
本記事では、株式投資を始めるために必要な資金や具体的な手順、そして少額から効率的に資産を増やすためのポイントをご紹介します。これから投資を始めたい方、すでに始めているけれどもっと効果的な方法を知りたい方にとって、実用的なガイドとなるでしょう。
1. 株式投資の基礎知識
株式投資とは?

株式投資とは、企業が発行する株式(株券)を購入し、その企業の一部の所有権を得ることです。株主になると、主に以下の2つの方法でリターンを得られます:
- 値上がり益(キャピタルゲイン): 購入した株価よりも高い価格で売却することで得られる利益
- 配当金: 企業が利益の一部を株主に還元するもの
株式投資のメリット・デメリット
メリット
- 長期的には他の金融商品より高いリターンが期待できる
- インフレに強い(物価上昇に対応できる)
- 少額から始められる
- 自分のペースで投資できる
デメリット
- 短期的には価格変動リスクがある
- 企業が倒産すると投資資金が大幅に減少する可能性がある
- 情報収集や銘柄選定に時間がかかる場合がある
株価が上下する要因
株価は様々な要因で変動します:
- 企業の業績や成長性
- 業界全体のトレンド
- 経済指標や金利の動向
- 国内外の政治情勢
- 市場心理(投資家の期待や不安)
2. 株式投資に必要な資金
最低必要資金はいくら?

日本の株式市場では「単元株制度」が採用されており、基本的には100株単位での取引が一般的です。多くの企業の株価が1,000円〜5,000円程度であることを考えると、単元株(100株)を購入するためには:
- 低めの株価(1,000円)の場合:10万円
- 平均的な株価(3,000円)の場合:30万円
- 高めの株価(5,000円以上)の場合:50万円以上
が必要になります。
少額から始める方法
しかし、これだけの資金がなくても株式投資を始めることは可能です:
- 単元未満株(ミニ株): 1株から購入可能。SBIネオモバイル証券では「Tポイント株」として、数百円から投資できます。
- 投資信託: 数千円から購入できる商品もあり、プロが運用してくれます。
- ETF(上場投資信託): 市場指数に連動した商品で、1単元未満から購入できるサービスもあります。
- 積立投資: 毎月一定額を投資することで、少額から始められます。
資金別の投資スタイル
1万円からの投資
- ネオモバイルなどの単元未満株サービス
- 低コストのインデックス投資信託
- 積立NISAでの積立投資
5万円からの投資
- 一部の低価格株の単元株
- 複数の投資信託での分散投資
- ETFへの投資
10万円以上の投資
- 複数銘柄の単元株購入
- セクター分散による本格的なポートフォリオ構築
- 国内株と外国株の組み合わせ
3. 株式投資を始める手順
Step 1: 投資目標の設定
投資を始める前に、明確な目標を設定しましょう:
- 短期(1〜2年):旅行資金や教育費など
- 中期(3〜10年):住宅頭金や起業資金など
- 長期(10年以上):老後資金や資産形成など
目標によって、リスク許容度や投資戦略が変わってきます。
Step 2: 証券口座の開設
株式投資を始めるには、証券会社の口座が必要です。近年はネット証券が手数料の安さと使いやすさで人気です。
おすすめのネット証券比較
証券会社 | 特徴 | 手数料 | 初心者向け度 |
---|---|---|---|
SBI証券 | 取扱商品が豊富、情報量が多い | 中〜低 | ★★★☆☆ |
楽天証券 | ポイント還元、使いやすいUI | 中〜低 | ★★★★☆ |
マネックス証券 | 分析ツールが充実 | 中 | ★★★☆☆ |
ネオモバイル証券 | Tポイントで株が買える、1株から購入可能 | やや高め | ★★★★★ |
口座開設には、本人確認書類(運転免許証やマイナンバーカード)が必要です。オンラインで10〜15分程度で申し込み可能で、口座開設まで2〜3営業日かかります。
Step 3: NISA口座の活用
2024年から始まった「新NISA」は、投資での非課税メリットが大きく拡充されました:
- つみたて投資枠: 年間120万円まで、最長無期限非課税
- 成長投資枠: 年間240万円まで、最長無期限非課税
特に投資初心者の20〜30代にとって、長期投資を行うなら必ず活用すべき制度です。
4. 少額から株式投資を始めるためのポイント

分散投資の重要性
「卵は一つのカゴに盛るな」という投資の格言があります。複数の銘柄、業種、国に分散投資することで、リスクを軽減できます。
少額からでも:
- 複数の異なる業種の株式に投資
- 国内株と海外株に分散
- 株式と債券などの異なる資産クラスに分散
長期投資の考え方
短期的な値動きに一喜一憂せず、長期的な視点で投資することが重要です。S&P500(米国の主要500社の株価指数)は、過去100年間で年平均約10%のリターンを生み出しています。
複利の力: 以下は毎月1万円を投資した場合の資産推移シミュレーションです。
- 10年後:約147万円(投資元本120万円)
- 20年後:約366万円(投資元本240万円)
- 30年後:約776万円(投資元本360万円)
(年利5%と仮定)
配当金狙いの投資戦略
安定した配当金を出している企業に投資すれば、株価が上下しても定期的な収入を得られます。配当利回りが3〜4%以上の銘柄は、特に配当金目的の投資に適しています。
高配当銘柄の例:
- 電力・ガス会社
- 大手通信企業
- 銀行・保険会社
5. 初心者におすすめの銘柄選びのコツ
業績が安定している企業
初心者は、まず業績が安定している大企業から始めると良いでしょう。
チェックポイント:
- 長期にわたる利益の成長
- 低い負債比率
- 安定した配当支払い実績
ETFや投資信託での分散投資
個別銘柄選定に自信がない場合は、ETFや投資信託を活用しましょう:
- 日経225連動ETF: 日本の主要企業225社に一括投資
- TOPIXの投資信託: より広範な日本市場に投資
- S&P500のETF: 米国の主要500社に投資
6. 株式投資を始める際の注意点
リスク管理の基本
- 投資資金は余剰資金に限定: 生活に必要なお金は投資に回さない
- 急いで儲けようとしない: 短期売買は経験が必要
- 投資金額の上限を決める: 総資産の一部に限定する
投資に関する税金
株式投資の利益には原則として20.315%の税金がかかります(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)。ただし、NISA口座を利用すれば非課税で運用できます。
実際の投資体験談
「28歳のとき、毎月3万円の積立投資から始めました。最初の1年は株価が下がり含み損を抱えましたが、そのまま淡々と積立を続けました。5年経った今では、投資元本180万円に対して資産は230万円に成長。特に配当金が毎年増えていくのが嬉しいです。」(32歳、会社員)
「最初は1万円からネオモバイルで有名企業の株を1株ずつ買っていました。少額でも株主になった実感があり、投資が身近に感じられました。今では月5万円の投資に増やし、NISA枠をフル活用しています。」(25歳、フリーランス)
まとめ
株式投資は少額から始められ、特に20〜30代の若いうちからコツコツ投資することで、複利の力を最大限に活かせます。
株式投資を始めるためのステップ:
- 投資目標を明確にする
- 証券口座を開設する
- NISA口座を活用する
- 分散投資と長期投資を心がける
- 少額からコツコツ積み立てる
どんな投資も、急いで大きなリターンを求めるより、長期的に安定した方法で続けることが成功の鍵です。まずは少額から始めて、投資の知識と経験を徐々に積み重ねていきましょう。