【2025年3月版】高配当株おすすめランキングTOP10 | 安定収益銘柄の選び方
株式投資において「インカムゲイン(配当収入)」を重視する投資家にとって、高配当株は魅力的な投資対象です。特に市場の不確実性が高まる昨今、安定した配当収入を得られる銘柄への関心が高まっています。本記事では、株式投資の中級者を対象に、日本と海外の高配当株おすすめ銘柄を詳しく解説します。
目次
- 高配当株投資の基礎と現在の市場環境
- 高配当株選びで押さえるべき5つの指標
- 日本の高配当株おすすめランキングTOP5
- 海外の高配当株おすすめランキングTOP5
- 高配当ETF比較:VYMはおすすめしない?
- 中級者向け高配当株ポートフォリオ構築戦略
- まとめ:高配当株投資で安定収益を得るための重要ポイント
高配当株投資の基礎と現在の市場環境
高配当株とは、一般的に市場平均と比較して高い配当利回りを提供する企業の株式を指します。**配当利回り(Dividend Yield)**とは、株価に対する年間配当金の割合で、以下の式で計算されます:
配当利回り(%)= 年間配当金 ÷ 株価 × 100
例えば、株価が1,000円で年間配当金が40円の場合、配当利回りは4.0%となります。
2025年3月現在、日本の10年国債の利回りは約1.0%程度(2025年3月20日時点)であることを考えると、3〜5%の配当利回りを提供する株式は魅力的な選択肢と言えるでしょう。
しかし、高配当株投資には以下のようなメリットとリスクがあることを理解しておく必要があります:
メリット

- 定期的な収入源となる
- インフレに対するヘッジ効果がある
- 複利効果による長期的な資産形成が期待できる
- 株価変動に左右されにくい安定した収益源となる可能性
リスク

- 高配当が持続可能でない場合がある(財務状況の悪化による配当カット)
- 成長性に欠ける企業が多い傾向
- セクター偏重のリスク(特定の業種に集中)
- 金利上昇局面では株価下落リスクがある
高配当株選びで押さえるべき5つの指標
高配当株を選ぶ際は、単に配当利回りの高さだけを見るのではなく、以下の5つの指標を確認することが重要です:
1. 配当性向(Payout Ratio)
配当性向とは、企業の純利益のうち、どれだけを配当として株主に還元しているかを示す指標です。
配当性向(%)= 配当金総額 ÷ 純利益 × 100
一般的に配当性向が30〜60%程度であれば持続可能と考えられますが、70%を超えると将来的な配当維持に懸念が出てくる可能性があります。ただし、業種によっても適正水準は異なります。
2. 配当成長率(Dividend Growth Rate)
過去5〜10年間の配当金の年平均成長率を確認しましょう。配当金が安定的に成長している企業は、長期的な株主還元に積極的である可能性が高いです。
3. ROE(自己資本利益率)
**ROE(Return on Equity)**は、株主資本に対してどれだけ効率よく利益を生み出しているかを示す指標です。
ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100
一般的に10%以上あれば良好とされ、高配当と高ROEを両立している企業は特に魅力的です。
4. 財務健全性
負債比率や流動比率など、企業の財務状態を示す指標を確認しましょう。特に**D/Eレシオ(負債資本倍率)**は重要で、これが1倍以下であれば財務的に安定していると言えます。
D/Eレシオ = 有利子負債 ÷ 株主資本
5. 配当継続年数
長期にわたって連続して配当を継続している企業は、株主還元への姿勢が強く、将来も配当を維持する可能性が高いと考えられます。
日本の高配当株おすすめランキングTOP5
2025年3月時点 日本の高配当株おすすめランキング
データは2025年3月15日時点の情報に基づいています
1. 日本たばこ産業(JT)【2914】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 5.8% |
株価 | 3,450円 |
配当性向 | 75.2% |
ROE | 12.8% |
D/Eレシオ | 0.32 |
配当継続年数 | 29年 |
おすすめポイント:
たばこ産業は景気変動の影響を受けにくく、安定した配当が期待できます。海外展開も積極的に行っており、為替変動の恩恵も受けられる点が魅力です。財務健全性も高いため、安定した高配当株の代表格と言えるでしょう。
2. KDDI【9433】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 4.2% |
株価 | 4,780円 |
配当性向 | 47.6% |
ROE | 14.2% |
D/Eレシオ | 0.15 |
配当継続年数 | 20年 |
おすすめポイント:
通信大手として安定したキャッシュフローを生み出し、近年は株主還元に積極的な姿勢を見せています。5G投資一巡後の収益改善も期待され、今後も増配の可能性があります。
3. 三菱UFJフィナンシャル・グループ【8306】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 3.9% |
株価 | 1,620円 |
配当性向 | 35.8% |
ROE | 10.5% |
D/Eレシオ | - (金融機関特有の財務構造のため) |
配当継続年数 | 18年 |
おすすめポイント:
日本を代表するメガバンクで、金利上昇局面では収益改善が期待できます。自己株買いも積極的に実施しており、総還元性向は高水準です。
4. オリックス【8591】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 3.7% |
株価 | 2,850円 |
配当性向 | 42.3% |
ROE | 11.7% |
D/Eレシオ | 2.1 (金融サービス業のため高めが特徴) |
配当継続年数 | 31年 |
おすすめポイント:
多角的な事業展開により収益源が分散されているため、リスク分散効果が高いです。長期的な配当成長率も安定しており、継続的な増配実績があります。
5. 豊田通商【8015】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 3.5% |
株価 | 5,850円 |
配当性向 | 25.4% |
ROE | 13.8% |
D/Eレシオ | 0.85 |
配当継続年数 | 24年 |
おすすめポイント:
トヨタグループの総合商社として安定した事業基盤を持ち、特に資源・自動車関連事業からの収益が安定しています。配当性向が低めであることから、今後の増配余地も大きいと言えるでしょう。
海外の高配当株おすすめランキングTOP5
2025年3月時点 海外(主に米国)の高配当株おすすめランキング
データは2025年3月15日時点の情報に基づいています。為替レートは1ドル=145円で計算しています。
1. アルトリア・グループ(Altria Group, Inc.)【MO】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 7.8% |
株価 | $45.25(約6,561円) |
配当性向 | 78.5% |
ROE | 95.4%(特殊要因による高水準) |
D/Eレシオ | 1.92 |
配当継続年数 | 54年(配当貴族) |
おすすめポイント:
たばこ業界最大手の一つで、高い参入障壁を持つ業界で安定した収益を上げています。54年連続増配の実績を持つ「配当貴族」の一角です。配当性向は高めですが、キャッシュフローは潤沢です。
2. ベライゾン・コミュニケーションズ(Verizon Communications Inc.)【VZ】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 6.5% |
株価 | $40.75(約5,909円) |
配当性向 | 53.2% |
ROE | 23.5% |
D/Eレシオ | 1.54 |
配当継続年数 | 17年 |
おすすめポイント:
米国通信大手として安定したサブスクリプション収益を生み出しています。5G投資がピークを過ぎ、今後はキャッシュフロー改善が期待できます。
3. アッヴィ(AbbVie Inc.)【ABBV】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 4.2% |
株価 | $175.30(約25,419円) |
配当性向 | 48.7% |
ROE | 50.3% |
D/Eレシオ | 0.76 |
配当継続年数 | 51年(前身企業を含む) |
おすすめポイント:
主力医薬品の特許切れリスクはあるものの、積極的なM&Aによりパイプラインを強化しています。医療・ヘルスケアセクターは景気変動の影響を受けにくく、安定した配当が期待できます。
4. リアルティ・インカム(Realty Income Corporation)【O】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 5.6% |
株価 | $52.75(約7,649円) |
配当性向 | 73.8%(REITは高配当性向が一般的) |
ROE | 4.2% |
D/Eレシオ | 0.68 |
配当継続年数 | 29年 |
おすすめポイント:
「月次配当の王様」とも呼ばれる不動産投資信託(REIT)で、毎月配当を行っています。長期契約に基づく安定した賃料収入が特徴で、小売り、物流、産業用不動産など様々な分野に分散投資しています。
5. プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble Co.)【PG】
指標 | 数値 |
---|---|
配当利回り | 2.6% |
株価 | $162.40(約23,548円) |
配当性向 | 61.2% |
ROE | 29.7% |
D/Eレシオ | 0.52 |
配当継続年数 | 67年(配当王) |
おすすめポイント:
日用消費財大手として不況に強いディフェンシブ銘柄です。67年連続増配の「配当王」として知られ、長期保有に適した銘柄と言えるでしょう。配当利回りはやや低めですが、安定性と成長性を兼ね備えています。
高配当ETF比較:VYMはおすすめしない?
個別株への投資にはリサーチ時間や分散投資のための資金などが必要となります。その点、高配当ETF(上場投資信託)は、少額から多数の高配当銘柄に分散投資できる便利な金融商品です。ここでは代表的な高配当ETFを比較検討します。
VYMはおすすめしない?その実力を検証
**VYM(バンガード・米国高配当株式ETF)**は、米国高配当株ETFの代表格として知られています。VYMについて「おすすめしない」という声も一部あるようですが、その実態を詳しく見てみましょう。
- ティッカーシンボル: VYM
- 運用会社: バンガード
- 経費率: 0.06%(2025年3月現在)
- 配当利回り: 3.1%(2025年3月現在)
- 保有銘柄数: 約460銘柄
- 組入上位セクター: 金融、ヘルスケア、工業、消費財
VYMがおすすめでないと言われる主な理由は、「配当利回りが期待より低い」「成長性に欠ける」という点です。しかし実際には、VYMは以下の特徴から多くの投資家にとって魅力的な選択肢と言えます:
- 経費率の低さ: 0.06%という業界最低水準の経費率
- 分散投資効果: 約460銘柄に分散投資しており、個別銘柄リスクが低減
- 銘柄選定の質: 財務健全性や配当持続性を考慮した銘柄選定
- 長期実績: 設定来のトータルリターンが市場平均を上回る実績
つまり、単純な配当利回りだけで判断するのではなく、経費率の低さや分散効果、銘柄の質を総合的に評価すると、VYMは高配当ETFとして十分におすすめできる商品と言えるでしょう。
その他の注目高配当ETF
1. SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)
- 配当利回り: 3.5%
- 経費率: 0.06%
- 特徴: クオリティ重視の高配当株に投資し、配当成長性も考慮
2. HDV(iシェアーズ・コア高配当ETF)
- 配当利回り: 4.1%
- 経費率: 0.08%
- 特徴: より高い配当利回りを目指し、エネルギーや金融セクターの比率が高い
3. SPYD(SPDR・ポートフォリオ・S&P500高配当株式ETF)
- 配当利回り: 4.3%
- 経費率: 0.07%
- 特徴: S&P500指数の中から配当利回り上位80銘柄に集中投資
4. DIV(グローバルX・スーパー配当米国ETF)
- 配当利回り: 6.8%
- 経費率: 0.45%
- 特徴: 非常に高い配当利回りを提供するが、経費率も高め
日本の高配当ETF
1. 1397(NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型ETF)
- 配当利回り: 3.2%
- 経費率: 0.30%
- 特徴: 日経平均株価採用銘柄から高配当銘柄50銘柄に投資
2. 1478(iシェアーズ MSCI ジャパン高配当利回りETF)
- 配当利回り: 3.0%
- 経費率: 0.18%
- 特徴: MSCI Japan高配当利回り指数に連動
中級者向け高配当株ポートフォリオ構築戦略
高配当株投資で成功するためには、単に高い配当利回りを追求するだけでなく、以下のようなポートフォリオ構築戦略が重要です。
1. セクター分散戦略
高配当株は特定のセクター(公益、金融、エネルギーなど)に偏りがちです。以下のようなセクター配分を意識しましょう:

- ディフェンシブセクター: 公益、生活必需品、ヘルスケア(30〜40%)
- シクリカルセクター: 金融、エネルギー、素材(30〜40%)
- 成長セクター: 技術、一般消費財(20〜30%)
2. 地域分散戦略
世界経済の変動リスクを分散するため、複数の地域に投資することが重要です:

- 日本株: 40%
- 米国株: 40%
- その他先進国: 15%
- 新興国: 5%
3. 配当成長型と高配当型の組み合わせ
ポートフォリオ内で「高配当型銘柄」と「配当成長型銘柄」をバランスよく組み合わせることで、現在の収入と将来の成長を両立できます:
- 高配当型(配当利回り4%以上): 50%
- 配当成長型(配当成長率5%以上): 50%
4. 具体的なポートフォリオ例(1,000万円の場合)
以下は、1,000万円を運用する際の具体的な資産配分例です:
日本株(400万円)
- JT【2914】: 100万円
- KDDI【9433】: 100万円
- オリックス【8591】: 100万円
- 1397(日経高配当ETF): 100万円
米国株(400万円)
- アルトリア【MO】: 80万円
- ベライゾン【VZ】: 80万円
- P&G【PG】: 80万円
- VYM: 80万円
- SCHD: 80万円
その他地域(200万円)
- 欧州高配当ETF: 150万円
- 新興国高配当ETF: 50万円
5. リバランス戦略
高配当株ポートフォリオは、以下のタイミングでリバランスすることをおすすめします:
- 定期リバランス: 年に1回(例:毎年3月)
- イベント駆動リバランス: 特定セクターが20%以上変動した場合
- 配当再投資: 受け取った配当金は、相対的に割安となった銘柄に再投資
まとめ:高配当株投資で安定収益を得るための重要ポイント
高配当株投資は、中長期的な視点で取り組むことで大きな効果を発揮します。最後に、成功するための重要ポイントをまとめます:
- 配当利回りだけを見ない: 配当の持続可能性や成長性も含めて総合的に判断する
- 分散投資を徹底する: 個別銘柄、セクター、地域のリスクを分散させる
- 配当の質にこだわる: 財務健全性や配当支払い履歴を確認し、配当の質を重視する
- 長期保有を基本とする: 配当の複利効果を最大化するため、長期保有を基本姿勢とする
- 臨機応変に対応する: 市場環境や企業状況の変化に応じて、適宜ポートフォリオを見直す
- 税金対策を忘れない: 配当所得に対する課税を考慮した投資先の選定や口座の活用(NISA、iDeCoなど)
高配当株投資は、株価変動に左右されにくい安定した収入源を提供してくれます。しかし、必ずリスクがあることを忘れずに、自分の投資スタイルに合ったポートフォリオを構築していきましょう。
本記事で紹介した情報は2025年3月時点のものであり、市場環境や各企業の状況によって変化する可能性があります。投資判断の際には、最新の情報を確認するとともに、必要に応じて専門家の意見を参考にしてください。
免責事項: 本記事は情報提供を目的としており、投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終判断はご自身の責任において行ってください。記事内で紹介している銘柄や投資商品について、将来のパフォーマンスを保証するものではありません。
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